○寝屋川市みんなのまち基本条例
平成19年12月25日
条例第24号
寝屋川市は、淀川と市内の中心部を流れる寝屋川の恩恵を受け、豊かな水と緑の自然環境に包まれ、発展してきたまちです。石宝殿古墳等の文化財、茨田堤や鉢かづき姫の伝承等、文化と歴史が息づいています。
人と人とのふれあいを育む温かい人情が受け継がれ、また、互いに支え合うつながりや活動は根強く、様々な市民活動が広がりを見せています。
そのような中、人口減少・少子高齢化が進行するなど、社会環境は大きく変化し、様々な課題に直面しています。また、地方分権の流れの中で、地域が協働して自ら課題を解決する必要があります。
市民がまちづくりの主役であることを自覚し、信頼関係をより深めることで地域の力を結集して、みんなが誇れる住みよいまちを「協創」しなければなりません。豊かな文化風土を大切に守り育てつつ、このまちを愛し、誇りとして次の世代へ引き継いでいかなければなりません。
私たちは、人類共通の願いである恒久平和と持続可能な社会が広く世界に築かれることを望み、
人権を尊重し、人のつながりや地域のつながりの強いまち、
環境に配慮し、安全で安心して誰もが暮らしやすいまち、
人を豊かに育て、にぎわいと活力のあるまちの実現に努めます。
私たちは、市民福祉の向上を目指し、互いの個性と能力を発揮するとともに、多様性を認め合い、十分な対話のもと市民参画・協働を進め、“みんなのまち”寝屋川をつくり上げることを決意し、ここに市民、議会及び行政が共有する寝屋川市における自治の基本的な理念及び原則としてこの条例を制定します。
(平30条例4・令5条例2・一部改正)
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 協働(第4条―第11条)
第3章 市民(第12条)
第4章 議会(第13条―第15条)
第5章 行政(第16条―第24条)
第6章 条例の実効性の確保等(第25条―第27条)
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、寝屋川市における自治の基本的な理念及び原則を定めることにより、市民、議会及び行政が、ともに考え、行動し、信頼関係を深めながら、みんなが誇れる住みよいまちを実現することを目的とする。
(1) 市民 寝屋川市に住み、働き、学び、又は活動する個人、団体及び事業者をいう。
(2) 議会 直接選挙により選ばれた市議会議員により構成される議決機関をいう。
(3) 行政 市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び上下水道事業管理者並びにそれらの補助機関をいう。
(4) まちづくり 公共の福祉を増進するあらゆる取組をいう。
(5) 市民活動 市民が主体的に行う様々なつながり及びその活動をいう。
(6) 参画 市民が政策等の立案、実施及び評価に主体的に関わることをいう。
(7) 協働 市民、行政その他のまちづくりに関わる様々な立場の人が相互に尊重し合い、それぞれの役割及び責任を分担し、対等な立場で協力して、ともに活動することをいう。
(平24条例39・平30条例4・一部改正)
(基本理念)
第3条 市民がまちづくりの主役であることを基本に、市民、議会及び行政は、それぞれの役割と責務を果たしながら協働してまちづくりに取り組むものとする。
第2章 協働
(市民相互の協働)
第4条 市民は、市民相互の協働を推進するため、交流の場等を持ち、相互に尊重し合いながら、まちづくりに努めるものとする。
2 市民は、市民相互の協働により、身近な地域社会の実情に応じ、自主的で自立的なまちづくりに努めるものとする。
(平25条例3・一部改正)
(市民と行政の協働)
第5条 市民と行政は、それぞれの立場及び役割を認め合い、相互に連携し、信頼及び協働関係を築くものとする。
2 行政は、協働を推進するため、市民との交流の場の設定に努めるものとする。
(安全・安心の向上)
第6条 市民は、自然災害、犯罪、健康危機等に備え、自己の安全の確保及び市民相互の協働による安全の確保に努めるものとする。
2 行政は、自然災害、犯罪、健康危機等から市民の生命、身体及び財産を守るため、防災力、防犯力、健康危機対応力等の強化を図り、市民生活の安全・安心の向上に取り組まなければならない。
(平25条例3・追加、平30条例4・令5条例2・一部改正)
(透明性の確保等)
第7条 行政は、市民と情報を共有して透明性を確保しなければならない。
2 行政は、市民の市政に関する意見、要望、提案等に対して、誠実に応答しなければならない。
3 行政は、政策等の立案、実施及び評価について、経過、内容、効果等をわかりやすく説明しなければならない。
(平25条例3・旧第6条繰下、平30条例4・一部改正)
(情報公開)
第8条 行政は、市民の市政に関する知る権利を保障するため、情報の公開を推進しなければならない。
(平25条例3・旧第7条繰下、平30条例4・一部改正)
(個人情報の保護)
第9条 行政は、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護するため、個人情報を適正に取り扱わなければならない。
(平25条例3・旧第8条繰下、平30条例4・令5条例2・一部改正)
(市民活動の尊重等)
第10条 行政は、市民活動の自主性・自律性を尊重し、必要に応じて適切に支援するよう努めるものとする。
(平25条例3・旧第9条繰下)
(市民参画の推進)
第11条 行政は、市政運営に、市民が公平に参画できる機会を確保するものとする。
2 行政は、市民参画での意見、提案等について検討し、市政に反映するよう努めるものとする。
(平25条例3・旧第10条繰下)
第3章 市民
(市民の役割及び責務)
第12条 市民は、自己の発言及び行動に責任を持ち、まちづくりに参画する権利を有する。
2 市民は、市民活動の役割を認識し、それを守り、かつ、育てるよう努めるものとする。
(平25条例3・旧第11条繰下)
第4章 議会
(議会の役割)
第13条 議会は、様々な意見、寝屋川市の状況等を踏まえ、施策の決定に関わり、市政の監視及びけん制を行う。
2 議会は、条例の制定及び改廃、予算の決定並びに決算の認定を議決する等の権限を有する。
(平25条例3・旧第12条繰下、平30条例4・一部改正)
(議会の責務)
第14条 議会は、市民の意思が市政に反映されるよう調査し、監視する機能を果たすものとする。
2 議会は、市民にわかりやすく開かれた議会運営に努めるものとする。
(平25条例3・旧第13条繰下、平30条例4・一部改正)
(市議会議員の役割及び責務)
第15条 市議会議員は、市民の代表として、常に自己研鑽に努め、市政への提案、提言等、公正かつ誠実に職務を遂行するものとする。
(平25条例3・旧第14条繰下、平30条例4・一部改正)
第5章 行政
(市長の役割及び責務)
第16条 市長は、社会経済情勢及び市民ニーズの変化に対応し、公正かつ誠実に職務を遂行するものとする。
2 市長は、職員を適切に指揮監督するとともに、組織の改革に取り組むものとする。
(平25条例3・旧第15条繰下)
(行政の役割及び責務)
第17条 行政は、前例にとらわれることなく、組織及び財政の運営、人材の活用等の改革に努め、効果的に施策を遂行するものとする。
2 行政は、効率的で機能的な組織とし、市民サービスを総合的に提供するものとする。
3 行政は、職員の資質の向上及び人材の育成に取り組むものとする。
(平25条例3・旧第16条繰下)
(職員の役割及び責務)
第18条 職員は、全体の奉仕者としての自覚を持ち、市民の信頼をより一層得るよう努めるものとする。
2 職員は、公正かつ誠実に、また創造性を発揮して効率的に職務を遂行するものとする。
3 職員は、知識の習得、技能の向上等自己研鑽に取り組むものとする。
(平25条例3・旧第17条繰下)
(市政運営)
第19条 行政は、寝屋川市の将来の発展を図るため、総合計画に基づき、計画的に市政運営に当たらなければならない。
2 前項の総合計画においては、議会の議決を経て、総合的かつ計画的な市政運営を図るための基本構想を定めるものとする。
(平25条例3・旧第18条繰下、平30条例4・一部改正)
(財政運営)
第20条 行政は、健全で持続可能な財政運営に取り組まなければならない。
2 行政は、予算編成、執行、決算その他の財政運営に関する情報をわかりやすく公表しなければならない。
(平25条例3・旧第19条繰下、平30条例4・一部改正)
(行政評価)
第21条 行政は、市民サービスの向上を図るため、施策等の必要性、効率性、成果等について検証し、その評価結果を公表しなければならない。
(平25条例3・旧第20条繰下、平30条例4・一部改正)
(行政手続)
第22条 行政は、行政手続を適正に行い、市政運営における公正の確保及び透明性の向上を図り、市民の権利利益の保護に努めなければならない。
(平25条例3・旧第21条繰下、平30条例4・一部改正)
(法令遵守)
第23条 行政は、厳に法令を遵守し、公正な職務の遂行に当たらなければならない。
(平25条例3・旧第22条繰下、平30条例4・一部改正)
(国、他の自治体等との連携)
第24条 行政は、国、他の自治体等と対等・協力関係のもとで連携を図り、共通する課題の解決に努めるものとする。
(平25条例3・旧第23条繰下)
第6章 条例の実効性の確保等
(この条例の位置付け)
第25条 この条例は、寝屋川市における自治の基本的な理念及び原則を定める規範であって、市民、議会及び行政は、この条例に規定する事項を誠実に遵守しなければならない。
2 議会及び行政は、市政運営並びに他の条例、規則等の制定、改廃及び運用に当たっては、この条例の趣旨を尊重しなければならない。
(平25条例3・旧第24条繰下、平30条例4・一部改正)
(住民投票制度)
第26条 市政に係る重要事項について、直接、住民の意思を確認する必要が生じたときは、住民投票制度を設けることができる。
(平25条例3・旧第25条繰下)
(条例の検証)
第27条 市長は、この条例の内容について、この条例の施行の日から5年を超えない期間ごとに、この条例の趣旨にのっとって検証を行い、必要があると認めるときは、所要の措置を講じるものとする。
(平25条例3・旧第26条繰下、平30条例4・一部改正)
附則
この条例は、平成20年4月1日から施行する。
附則(平成24年条例第39号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。
附則(平成25年条例第3号)
この条例は、平成25年4月1日から施行する。
附則(平成30年条例第4号)
この条例は、平成30年4月1日から施行する。
附則(令和5年条例第2号)
この条例は、令和5年4月1日から施行する。