○寝屋川市法令遵守に関する条例
平成21年3月25日
条例第3号
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 公益通報(第6条―第14条)
第3章 不当要求行為への対応(第15条)
第4章 法令遵守推進外部委員(第16条)
第5章 雑則(第17条―第19条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、公益通報についてとるべき措置及び不当要求行為への対応について定めることにより、事務又は事業の遂行等における法令の遵守を図り、もって公正な事務又は事業の遂行等を推進することを目的とする。
(1) 公益通報 不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的又は自らの私的利益を図る目的でなく、かつ、次に掲げる者について通報対象事実が生じ、又は生ずるおそれがある旨を通報することをいう。
ア 寝屋川市(以下「市」という。)又はその職員(非常勤職員及び臨時的に任用された職員を含む。以下同じ。)
イ 市との請負契約その他の契約に基づいて市の事務若しくは事業を行う者若しくは市との労働者派遣契約に基づいて市に対し労働者派遣をする者(以下「請負等事業者」という。)又はこれらの役職員(役員、従業員その他の者をいう。以下同じ。)
ウ 市の公の施設の管理を行う指定管理者(以下「指定管理者」という。)又はその役職員
(2) 公益通報者等 公益通報をした者(以下「公益通報者」という。)及び公益通報に係る通報対象事実に関する調査に協力した者をいう。
(3) 通報対象事実 次に掲げる事実をいう。
ア 市の事務又は事業の遂行に関する事実であって、次のいずれかに該当するもの(イに規定する事実を除く。)
(ア) 法令(法律、法律に基づく命令、条例及び市の機関の規則(規程を含む。)をいう。以下同じ。)に違反する事実
(イ) 人の生命、身体又は財産に重大な影響を及ぼす事実
イ 次に掲げる職員の行為に関する事実
(ア) 法令に違反する行為
(イ) 職務上の義務に違反し、又は職務を怠る行為
(ウ) 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行
ウ 請負等事業者の業務(市との契約に関する部分に限る。)又は指定管理者の業務(市の公の施設の管理に関する部分に限る。)の遂行に関する事実であって、ア(ア)又は(イ)のいずれかに該当するもの
(4) 市の機関 市長、教育委員会その他の執行機関をいう。
(5) 職員等 次に掲げる者をいう。
ア 職員
イ 請負等事業者が雇用する労働者で、市との契約に関する業務に従事しているもの
ウ 指定管理者が雇用する労働者で、市の公の施設の管理の業務に従事しているもの
(6) 市民等 次に掲げる者をいう。
ア 市の区域内に住所を有する者
イ 市の区域内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体
ウ 市の区域内に存する事務所又は事業所に勤務する者
エ 市の区域内に存する学校に在学する者
オ 市の市税の納税義務を有する者
カ その他市の事務又は事業に利害関係を有する者
(7) 事務又は事業の遂行等 市の事務又は事業の遂行及び職員の職務の執行並びに請負等事業者及び指定管理者(以下「請負等事業者等」という。)並びにこれらの役職員の業務(第3号ウに規定する業務をいう。)の遂行をいう。
(8) 不当要求行為 脅迫、威圧、暴言、けん騒その他の不穏当な言動により、又はその地位を利用し、若しくはその権限に基づく影響力を行使して、不適正にその職務上若しくは業務上の行為をし、又はしないことを求める行為その他の不正の手段により公正な事務又は事業の遂行等を妨げる行為をいう。
(職員の責務)
第3条 職員は、法令を遵守し、常に公正な職務の執行に当たらなければならない。
2 職員は、法令に基づく権限の行使に当たっては、市民等の疑惑又は不信を招くような行為をしてはならない。
3 職員は、不当要求行為に対しては、毅然とした態度で対応しなければならない。
(市の機関の責務)
第4条 市の機関は、市政の公正な運営を図り、この条例の定めるところに従い、公益通報及び不当要求行為に適切に対処するとともに、公正な事務又は事業の遂行等の推進を図るための体制の整備を図らなければならない。
(請負等事業者等の責務)
第5条 請負等事業者等及びその役職員は、業務を遂行するに当たっては、法令を遵守するとともに、常に公正であることを旨とし、市民等の疑惑又は不信を招くことのないよう配慮しなければならない。
第2章 公益通報
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる事項については、公益通報をすることができない。
(1) その者に対し法令に基づいてされた処分に関連する事項
(2) 裁判所に係属している事案その他法令による紛争の解決のための手続が行われている事案又は裁判があった事案その他当該手続が終了した事案に関連する事項
(3) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第242条第1項の規定による請求がされている事案又は同条第5項の手続が終了した事案に関連する事項
3 公益通報は、書面又は口頭ですることができる。
(令2条例1・一部改正)
(通報対象事実に関する調査)
第7条 市の機関又は法令遵守推進外部委員は、公益通報を受けた場合には、速やかに、当該通報対象事実について、調査を行わなければならない。ただし、次の各号に掲げるときは、この限りでない。
(1) 当該通報が不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的又は自らの私的利益を図る目的によるものであると認められるとき。
(2) 当該通報が通報対象事実に該当しないものであると認められるとき。
(3) 当該通報が前条第2項各号に規定する事項に該当するものであると認められるとき。
2 市の機関又は法令遵守推進外部委員は、前項の調査(以下「通報対象事実に関する調査」という。)を行うこととしたときはその旨を、通報対象事実に関する調査を行わないこととしたときはその旨及びその理由を、遅滞なく、当該公益通報者に通知しなければならない。ただし、当該公益通報者がこれを希望しないときは、この限りでない。
3 市の機関又は法令遵守推進外部委員は、公益通報者から通報対象事実に関する調査の進捗状況について説明を求められたときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない。
4 市の機関及び職員並びに請負等事業者等及びその役職員は、通報対象事実に関する調査に協力しなければならない。この場合においては、通報対象事実に関する調査に協力した者は、その調査に際して知ることのできた秘密を漏らしてはならない。
2 市の機関は、通報対象事実に関する調査の結果、第2条第3号ウに規定する通報対象事実があると認める場合には、直ちに、当該通報対象事実に係る請負等事業者等に対し、当該通報対象事実の中止その他是正のために必要な措置及び再発の防止のために必要な措置をとるよう勧告するとともに、法令等に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない。
4 市の機関は、通報対象事実に関する調査の結果、当該公益通報に係る通報対象事実がないと認めるときは、遅滞なく、その旨及びその理由を当該公益通報者に通知しなければならない。この場合においては、前条第2項ただし書の規定を準用する。
2 市の機関は、前項の規定による勧告を受けたときは、直ちに、当該勧告に従い必要な措置をとるとともに、当該措置の内容を法令遵守推進外部委員に報告しなければならない。
3 法令遵守推進外部委員は、第1項の規定による勧告をし、及び前項の規定による報告を受けたときは、遅滞なく、その旨を当該公益通報者に通知しなければならない。この場合においては、第7条第2項ただし書の規定を準用する。
4 法令遵守推進外部委員は、通報対象事実に関する調査の結果、当該公益通報に係る通報対象事実がないと認めるときは、遅滞なく、その旨及びその理由を当該公益通報者に通知しなければならない。この場合においては、第7条第2項ただし書の規定を準用する。
(不利益取扱いの禁止)
第10条 市の機関及び請負等事業者等は、公益通報をしたこと又は通報対象事実に関する調査に協力したことを理由として、当該公益通報者等に対して、不利益な取扱いをしてはならない。
(公益通報に係る情報の取扱い)
第11条 公益通報者等の氏名その他の公益通報者等を識別することができる情報(他の情報と照合することにより、公益通報者等を識別することができることとなるものを含む。)は、当該公益通報者等の同意がなければ、公にしてはならない。
(他人の正当な利益等の尊重)
第12条 公益通報をする者は、他人の正当な利益又は公共の利益を害することのないよう努めなければならない。
(不利益を受けた者に対する措置)
第13条 市の機関は、公益通報に係る通報対象事実がなかったこと、通報対象事実に誤りがあったことその他の理由により不利益を受けた者があると認めるときは、当該不利益を回復するために必要な措置をとらなければならない。
(公表)
第14条 市長は、次の各号に掲げる場合に該当すると認めるときは、法令遵守推進外部委員の申出に基づき、その旨を公表するものとする。
(1) 市の機関又は職員が、正当な理由なく、通報対象事実に関する調査又は第10条第2項の調査に協力しない場合
2 市の機関は、次の各号に掲げる場合に該当すると認めるときは、その旨を公表することができる。この場合においては、あらかじめ、当該請負等事業者等又はその役職員に意見を述べる機会を与えなければならない。
(1) 請負等事業者等又はその役職員が、正当な理由なく、通報対象事実に関する調査又は第10条第2項の調査に協力しない場合
第3章 不当要求行為への対応
(不当要求行為への対応)
第15条 職員は、不当要求行為があったと認める場合には、速やかに、その内容を記録するとともに、その旨を市の機関に報告しなければならない。この場合においては、職員は、虚偽の記載をしてはならない。
2 請負等事業者等又はその役職員は、市との契約を履行し又は市の公の施設の管理を行うに当たって、不当要求行為があったと認める場合には、速やかに、その旨を当該業務に関係する市の機関に報告するものとする。
3 市の機関は、前2項の規定による報告があった場合において、当該報告に係る行為が不当要求行為に該当すると認めるときは、不当要求行為の行為者に対する書面による警告その他不当要求行為を中止させるために必要な措置をとらなければならない。
4 職員、請負等事業者等又はその役職員及び市の機関は、前3項に規定する場合においては、当該不当要求行為について、必要に応じて適宜、警察官に通報し、又は告訴若しくは告発をしなければならない。
第4章 法令遵守推進外部委員
(法令遵守推進外部委員)
第16条 公益通報及び不当要求行為に適切に対処するため、法令遵守推進外部委員を置く。
2 法令遵守推進外部委員は、この条例の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、公正な事務又は事業の遂行等の推進のために必要な事項について、市長に対し意見を述べることができる。
3 法令遵守推進外部委員の定数は、2人以内とし、法令遵守推進外部委員は、独立してその職権を行う。
4 法令遵守推進外部委員は、その権限に属する事項に関し公正な判断をすることができ、かつ、法令に関して優れた識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。
5 法令遵守推進外部委員の任期は、2年とする。ただし、法令遵守推進外部委員は、再任されることができる。
6 法令遵守推進外部委員は、市長が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合又は職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合を除くほか、在任中、その意に反して解職されることがない。
7 法令遵守推進外部委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
8 前各項に定めるもののほか、法令遵守推進外部委員に関し必要な事項は、規則で定める。
第5章 雑則
(運営状況の公表)
第17条 市長は、毎年度、この条例の運営状況を公表するものとする。
(出資法人の措置)
第18条 市が出資する法人は、この条例の規定の趣旨にのっとり、法令の遵守を図るため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(委任)
第19条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日等)
1 この条例は、平成21年4月1日から施行する。
2 この条例は、この条例の施行の日以後に行われた公益通報又は不当要求行為について適用する。
(準備行為)
3 第16条第4項の規定による法令遵守推進外部委員の委嘱のために必要な行為は、この条例の施行前においても行うことができる。
附則(令和2年条例第1号)
この条例は、令和2年4月1日から施行する。