16 PF教育

2017年7月22日(土)


 1学期の終業式、私の話は32日間をどう過ごすのかをテーマにした。

 本校区での児童会生徒会合同サミットを開催した。小学生と中学生との交流に可能性を感じた。(個人情報保護モード)
 
 昨年通りの研修は要らない。同じ研修は昨年も参加したまじめな参加者を失望させる。研修のキモは企画する者のワクワク感である。企画する者のワクワク感は伝染する。

 もちろん定番研修にも意義はある。それは読書にも通じることである。貴重な書籍は何度も読むべきである。TOSSでは向山洋一先生のご著作は最低でも「100回読書」を提唱されている。師を求める者は軽くそれをこなしている。名著はそれに耐えるだけの叡智を読者に与えている。

 今年初めて「PF教育」に取り組む。1回限りか継続かは未だ未定である。私自身が初めてのことである。だからワクワクしている。

 昨年度、たまたま府の就労に関する会議に出席する機会があった。「七五三」との担当者からの話があった。中卒の七割、高卒の五割、大卒の三割が離職するという話であった。若者の就労事情が思いの外深刻であることを知った。
 
 卒業生の一人が一月末に進学から就職へ希望を変えた。担任から相談を受け、進路指導主事が動いた。私も知り合いに頼んで事業所を紹介してもらった。一年間無給の見習いの仕事であった。無給といっても必要最低限の保障はある。当の本人に話をした。翌日「僕の希望する仕事ではない。」と断られた。「僕は大工の仕事がしたい。」土木関係とは少し違うのだと言うのだ。

 校区内の府立高校の定時制課程の学校協議会に就いている。そこで就労のセミナーを公認会計士にしてもらっているという話を聞いた。それが「PF教育」との出会いであった。担当者にセミナーの講師、効果と予算を聞いた。定時制の学生の目利きは鋭い。彼等は優秀な聴講生なのである。動員とか義理での参加者とは違う。下手な講師ではもたないのである。私の中での問題意識が繋がった。苗字しか教えてくれなかったので講師のアドレスにたどり着くまでは少し時間が掛かった。

 肩書きは「パーソナルファイナンス教育インストラクター」である公認会計士の荻窪輝明氏に辿り着き、校内研修の講師をお願いした。さっと返事を頂き、詳しい話を聞きたいと来校してくれた。このスピードとレスポンスの良さ、一流である。

 一流の方は気持ちいい。ためになる。眼差しが素敵である。そして話が深い。あくまでもご自身の体験をベースにしたお話をしてくれる。一発で相手を取り込む。スパークが起きる。自身の未熟を知る。気持ちが高揚する。決意をさせてくれる。生半可な気持ちで接すると粉々に砕かれる。いや、相手にもしてくれない。同じ一生である。一人でも多くの一流と呼ばれる人に会いたい。肩書きや権威ではない。そういうことは自然と後から付いてくるものなのである。一流であるかどうかを判断するにはおそらく1分もかかっていない。

 荻窪氏には年度内に2回の研修を頼んだ。最初は教員向けの研修、そして10月に3年生対象にセミナーを開催する予定である。

 「PF教育」とは何か。私なりの大胆な解釈では「お金を稼ぐとは何か。そのお金を使う(貯める・増やす)とは何か。」ということを考えさせる教育である。それは「自分は何のために生きているのか。」という根源的な生き方への考察に繋がっていく。また自身と他者との違いを意識して協働して社会や生活を支えていくための知識やスキルを磨くという人権教育・社会教育・道徳教育にも通じる。またそれは様々な教科教育で得た知識やスキルの使い方に対するヒントにもなる。国語科は全ての教育の基盤を支える言語教育であると思っているが、「PF教育」は全ての生活を支え人生を構築する人生教育の切り口となると書くと大げさになるか。
 
 私が予想したとおり荻窪輝明氏のパフォーマンスは一流であった。第1回の研修会に参加した職員の表情がそれを示していた。研修時間は100分間となったがあっという間であった。10月の生徒向けセミナーが楽しみである。


 市内の総合センターで中学生サミットが開催されました。夏のサミットは全て参加させて頂いています。全12中学校の自校紹介、各部門の取り組み発表、そして「いじめ撲滅劇」となり3時間を越えるイベントでした。劇の出来栄えはとても中学生とは思えないほどの仕上がりでした。客席で涙が止まりませんでした。中学生が一所懸命に活動している姿はいいものです。未来が明るいことを感じさせてくれます。ダイアモンドは原石からダイアモンドです。大先輩が良く口にする言葉「磨けば光る寝屋川の子どもたち、それを忘れてはいけない。」を思い出しておりました。
 酷暑の開幕です。皆々様くれぐれもご自愛ください。今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。  
  
 このコーナーへのご意見・ご感想はmailもしくはFAXか郵送でお願いします。
 FAX072−822−3662
 アドレスはatakeshi2001jp@yahoo.co.jp (個人アドレス) 
 〒572−0847大阪府寝屋川市高宮新町32−1 寝屋川市立第一中学校 校長大原武史宛