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校長室日記 2023年 2月10日(金曜日):No.15  校長室からPUT問題

  2月4日の立春を過ぎたかと思うと、あっという間に1週間が経つから驚きだ。2月は「逃げる」とは、うまく言ったものだ。
 さて、いよいよ本日、大阪や京都などの主な私立高校の入試日をむかえた。今朝はいつもより早く家を出たのだが、あたりは夜明け前で暗かった。心配した雨も降っていない。午前6時前に学校に到着した時には、すでに2名の教員が来てくれていた。
 しかし、到着間もなく予報どうりに静かに雨が降り出した。電車で受験会場に向かう生徒たちは、駅までの道を傘をさして歩いていることだろう。トラブルなく無事に試験会場入り、全力を出し切れるように祈っている。
 今日は近畿のみならず東京などでも入試日をむかえる高校があり、雪になる恐れもあるというので、先日の大寒波を教訓に様々な対策をとっているとTVニュースで報道されていた。例えば、高校側は最寄り駅までの歩道に凍結防止剤をまいたり、もし、積雪がある場合は、野球部員を動員して除雪作業をする段取りをとっている学校もあるとキャスターが報じていた。また、早く到着した受験生が暖をとるための待合場所を準備したり、非常食まで確保しているという用意周到ぶりだ。
 この数年で、コロナやインフルエンザ対応の別室受験会場や、後日受験日を設定している高校がほとんどである。本校の3年生も、幸い一人もコロナやインフルエンザ感染の心配なく、今日を迎えることができた。感謝である。
 とにかく、全国の15の春に挑む中学生にエールを送りたい。持てる力を出し切ろう!



  • 受験の朝は雨

  • 2月の掲示・合格祈願・招福

  • GET YOUR DREAMS

  • アマリリスの格花

 1月から始めた新企画がある。 名付けて 『校長室からのPUT問題』 である。
 校長室近くの掲示板に、校長からの問題を掲示した。答えがわかった生徒は、校長室を直接訪ねて解答する。ただし、その条件は@グループでなく、一人でくることAノックをして入室し、クラス氏名、要件をはっきり伝えることB受付は昼休みのみ である。
 本校の研究テーマである「ヤマ場のある授業」づくりでは思考力や論理力、身に付けた知識や考え方を発揮して資質能力を高める良いPUT課題に取り組もうと、各教科で先生方が試行錯誤している。PUT課題で高みを目指そうという取り組みを、校長としても教員や生徒たち任せにせずに、何かアクションを起こしたいものだと考えていたのだが、果たして中学生たちが応じてくれるだろうか?と少なからずの不安があった。
 ところが、1月13日の放送朝礼で発表してから、連日昼休みには数名の生徒がコンコンと校長室をノックして訪ねて来るようになった。多い日には7名の生徒の来室があり、大忙しである。普段、生徒にとって一人で訪れることなどない校長室に、緊張した面持ちで入ってくる者がほとんどであるが、「〇年〇組 △△です。PUT問題の答えがわかりました!」と、自信ありげである。私の前で、謎解きの論理を鮮やかに説明してみせる生徒たちは、校長お手製のスタンプカードを手にして嬉しそうに部屋をあとにしていく。中には、自分の出した答えが誤答だと知って、後日、再チャレンジに来る生徒もいる。現在、第3弾の問題を掲示しているが、休み時間には掲示板の前に立ち止まって、仲間と知恵を出し合って考えている姿が微笑ましい。
 一人1台端末のタブレットで問題の写真を撮って帰り、家で考えたという生徒。また、校長にタブレットで思考のプロセスと説明をするための文章を作成してきて、それを示しながら説明する生徒など、驚きと感心は尽きない。
 校長室で過ごすようになってからというもの、生徒たちとの会話の機会が少なくなっていた。しかし、現在は毎日の昼休みが、生徒を待つ楽しみな時間となった。直に1対1で話してみると、目立たないような生徒の新たな一面を発見でき、それを担任などに報告することで、教員との対話のきっかけが生まれるのも嬉しい。先生方の中には「私も校長PUT問題わかりました!答えていいですか?」と校長室を訪れ、スタンプカードをもらって喜ぶ姿があったりもする。
 パズルや謎解き問題は、難易度の易しいものや難解なものまでいろいろとあるが、問題によって「推理力」「ひらめき力」「注意力」「分析力」に加え、最後まであきらめない「持久力」UPにもつながると考えている。粘り強く、ただ、ただ答えにたどり着きたいと、何度も思考を巡らせ考えることで、すばらしい脳力が鍛えられること、何より楽しいことが肝心だ。
 
 今は、企画倒れにならないよう一中の校長として「1」 のつく日に、生徒をワクワクさせる問題を更新できるように頑張ろうと思う。さて、いつまで続けられるだろうか。2023年の新たな挑戦である。 


  • 校長室からPUT問題

  • 挑戦者 続々!

  • タブレットに解法の説明をまとめてくる生徒も

最後まで読んでいただきありがとうございました。

学校長 林浩子

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