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校長室日記 2022年8月24日水(曜日):No.8  落語とオペラの融合

  2学期がスタート!

32日間の夏休みが終わり、寝屋川市内の小中学校は8月22日に始業式を迎えた。
 連日35度を超える猛暑日が続き、熱中症警戒アラートも慣れてしまうような状況ではあったが、細心の注意を払いながら部活動を実施するように声かけをした。幸い保健室で対応することはあっても、救急搬送する事態は1件もなく、夏休みを乗り越えることができたことに、ほっとしている。でも、まだまだ残暑厳しく、今しばらくは続くだろうが・・・・・。
 屋外での部活動に取り組んだ生徒も教師も、日焼けして真っ黒である。体育館や屋内で実施の部活動にも、熱心に取り組んでいる姿はほんとうに頼もしい。3年生は引退試合を、汗と涙で終えた。次は1・2年生中心の新チームの始動である。


  • ボールを追って走る!

  • 懸命にラケットを振る

  • 額に汗して楽器を吹く

  一中に落語家とオペラがやってきた!


  今週は明日まで午前中のみの短縮授業である。最初の授業が23日にスタートし、各教科の宿題集めや答え合わせも進みつつあるところである。しかし、まだまだこの時期の授業は、生徒たちにも忍耐がいるところであろう。そんな中、24日と26日に学年を分けて『芸術鑑賞会』を企画し、その1回目が本日実現にこぎつけた。2学期の最初に、このような機会に恵まれたことは、本当に喜びであり、ありがたいと思う。
 
 昨年度は夏休み前の7月に、創立75周年記念コンサートという名目で、東京からオーケストラをお招きして「芸術鑑賞会」を実施した。実は、2月にも雅楽コンサートを企画していたが、コロナ感染が猛威を振るい、やむなくキャンセルせざるを得なかったのだ。
 今年度も、子どもたちに何か本物の芸術に触れる機会を持たせたいと願っていたが、公益財団法人「山本能楽堂」様のお力を借りて、文化庁の芸術家派遣事業によるペラオペラ公演を実現することができた。
 ペラオペラというのは「ペラペラしゃべる落語」と「オペレッタ」を組み合わせた造語であり、今日の演目は、あの有名なオペラ「魔笛」のあらすじを落語家がわれわれの聴きなれた大阪弁にして語り、その間に、プロの声楽家がハイライトシーンをコンパクトに有名な曲目を演じてみせるという、なんとも興味深いものだった。
 私も劇団四季などでいくつかのミュージカルを見たことはあったが、本格的なオペラ、特に「魔笛」については浅い知識しかなかった。生徒たちも、会の冒頭で最初に「落語やオペラを実際に観たことがある人?」と尋ねると、170名ほどのなかで3名の手が挙がるのみだったのだから、生落語、生オペラは本当に初体験だったといえるだろう。
 
 舞台には高台に赤毛氈が敷かれ、座布団と見台がしつらえられた。着物に羽織姿の、林家染雀(はやしや そめじゃく)さんが登場すると、すぐに軽快なよくとおる声で魔笛の登場人物や場面のシチュエーションなどについて語り始め、会場がみるみる引き込まれていった。
 
 26日に1年生が鑑賞を控えているので、、ネタバレにならぬよう報告はこのあたりにしようと思うが、一人3役をこなしながら衣装替えをして登場するオペラ歌手の美声と声量は、圧巻だったことは言うまでもない。特に、魔笛と言えばあの有名な『夜の女王のアリア』を知る方も多いだろう。ドイツ語の2オクターブ半を超える音域のアリアで、素晴らしかったの一言に尽きる。テノールは角地正直さん、ソプラノは中井祥子さん、ピアノは佐々木しのさんである。
 子どもたちの感想のなかには、「まるでイルカのような声」「高温と低音を行き来する音が凄かった」と感動を語っていた。それを生で聴けた生徒たちは、今日の体験が一生の記憶にとどまることだろう。また、この体験が夢につながってくれたらうれしい。「もっとオペラをみたくなった」「一人何役もこなす落語家は、絵や映像なしでもその口調や声の高さで登場人物を巧みに変えて表現してるのがすごい」と綴られた感想もあった。これからも、どこかでこういった芸能に触れるチャンスを自分から持つような、心の余裕や豊かさを持った青年、大人になってくれたらと願いたい。

 8月の残すところ1週間だ。芸術の秋は、もうそこまで・・・・・。
  


  • 落語調で面白く

  • 会場に美声が響く

  • ソプラノとテノール

  • 表情豊かに歌い上げる

  • 夜の女王のアリア

  • アンコールに答えてもう1曲

  • 『魔笛』人物相関図

最後まで読んでいただきありがとうございました。

学校長 林浩子

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