○寝屋川市公有財産規則の施行について(依命通達)
平成25年4月1日
財資第18号
寝屋川市公有財産規則(昭和59年寝屋川市規則第14号。以下「規則」という。)の内部管理事務の処理体制を整え、その処理方法を明確にし、適正かつ能率的な公有財産の管理を確保するよう、この旨命によって通達する。
1 総則に関する事項
(1) 規則は、法令その他別に定めがあるものを除き、寝屋川市の公有財産(地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第238条第1項に規定されているものをいう。以下同じ。)の取得、管理及び処分に関する一般的・基本的事項を規定するものであり、その性格は、公有財産事務に従事する職員に対する訓令的規定であること。
(3) 部の事務・事業の用に供する行政財産の取得及び管理は、当該行政財産が供用される事務・事業を主管する部長が行うものであるが、2以上の部の事務・事業の用に供する行政財産のうち、統一的な管理が必要なもの(庁舎等)については、市長が指定する部長が管理することとした。
なお、統一的管理を必要とする財産及びこれを管理する部長についての市長の指定は、関係部長において協議の上、公有財産事務の指導、助言及び総括に関する事務を担当する部長(以下「公有財産事務担当部長」という。)を経由して行われる申請に基づき行うものであるが、公有財産事務担当部長において必要があると認めるときは、関係部長の申請を待たずに指定することがあること(規則第3条)。
(4) 普通財産の取得、管理及び処分は、公有財産事務担当部長が行うことが原則であるが、公有財産事務の指導、助言及び総括に関する事務を担当する部以外の部(以下「他の部」という。)の事務・事業の執行上取得せざるを得ないもの(代替用地)等当該他の部の事務・事業と密接な関連のある普通財産の取得、管理及び処分並びに規則第9条ただし書に規定する普通財産の管理については、当該他の部の部長が行うことが適当であるのでその例外を規定した。
したがって、普通財産(行政財産の用途廃止による普通財産を含む。以下この号において同じ。)を処分する場合の事務手続(議案書、資料等の作成、議会への付議等をいう。)については、当該普通財産を管理する部長が行うこと(規則第4条)。
(5) 公有財産の増加に伴い、公有財産管理の責任体制を強化し、事務の適正かつ円滑な執行を期するため、公有財産を直接管理する課等に公有財産管理主任を設置することとした。
公有財産管理主任は、所属課等内の公有財産について部長の事務を直接補助し、課等の所管財産の増減異動等が生じたときは、速やかに公有財産台帳副本を整理し、公有財産現在額報告書等を作成し、その他常に所管の公有財産の現状を把握するように努めなければならないものであること。
なお、公有財産管理主任は、公有財産を直接管理する課等に必ず1人設置することとし、当該課等の所属職員のうちから部長が任免することとされたが、係長以上の職にある者の中から任命するのが適当であること(規則第5条)。
(6) 公有財産の効率的運用及び管理の適正を期するため、公有財産事務担当部長が公有財産に関する総合調整を行うこととしたこと(規則第6条)。
(7) 公有財産を所管する部長は、公有財産を取得しようとするとき、行政財産の用途を変更し、又は廃止しようとするとき、所管換えしようとするとき等公有財産について重大な変動を来たす行為をしようとするときは、あらかじめ公有財産事務の指導、助言及び総括に関する事務を担当する課長を経て公有財産事務担当部長に協議しなければならないこととした。
この規定は、公有財産の管理の適正を期するため、公有財産事務担当部長において調整する必要があるとする見地から設けたものであるので、各部長はこの事情を考慮し、適正な事務処理を行うよう配意すること(規則第7条)。
(8) 所属を異にする会計間における公有財産の所管換え若しくは所属替え又は使用は、原則として有償で整理すべきものであり、これは、公有財産の取扱いにおいて会計の独立性を乱さないための趣旨のものであるから、この場合の価格は、適正な評定価格で行うべきものであること。ただし、予算執行上その他やむを得ない理由があると認められる場合においては、これを無償にし、又は両部間の協議による価格により処理することができるものであること。
なお、公営企業管理者へ移管し、又は使用させる場合についても同様であること(規則第8条)。
(10) 行政機構の改革、分掌事務の改廃等によって所管事務・事業の変更があった場合、当該事務・事業の用に供していた行政財産は、直ちにその事務・事業を所管することとなる部長に所管換えすることとしたこと(規則第10条)。
(11) 行政財産の用途廃止によって生じた普通財産及び部の事務・事業と関連がなくなった普通財産の引継ぎ並びに所管換えは、原則として、当該財産の所在する場所において公有財産管理主任その他関係職員の立会いの上、公有財産引継書(公有財産台帳副本、付属図面、その他の資料を添付すること。)及び公有財産受領書の授受により、迅速かつ正確に行うものであること(規則第11条)。
(13) 公有財産に属する不動産、地上権及び地役権の取得又は処分をするに際しては、当該不動産等の価格について寝屋川市不動産評価委員会に付議しなければならないこと。ただし、不動産鑑定書を取得した物件で、法第96条第1項第8号及び寝屋川市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例(昭和39年寝屋川市条例第6号)第3条の規定により議会の議決に付すべき不動産以外の不動産の取得又は処分については、この限りでない(規則第13条)。
なお、行政財産の使用料並びに行政財産の貸付け及び私権の設定に係る価格の決定等に際して必要があると認められるときは、寝屋川市不動産評価委員会に付議することができるものであること。
2 取得に関する事項
(1) 公有財産を取得しようとするときは、あらかじめその財産について抵当権、地上権、地役権、先取特権等の他の権利による制限又は売買契約の締結、買戻しの予約、譲渡担保の特約等の特殊な義務の負担の有無を登記簿等の資料その他に基づいて十分調査し、これらの制限又は特殊な義務の負担があれば権利者等がこれらを排除した後でなければ当該財産を取得してはならないものとしたこと(規則第14条)。
(2) 公有財産を取得する際は、関係職員は立会いの上、当該財産と関係書類及び図面とを照合し、正常な状態であると認めたときに限り取得することができるものであること。この場合において、取得する財産が土地であるときは、公簿面積により取得する場合又は既に確実な実測がなされている場合を除き、実測しなければならないものであること(規則第15条)。
(3) 登記又は登録の要する公有財産については、従前どおり公有財産の取得後、速やかに公有財産事務担当部長に対し登記又は登録の依頼をしなければならないこと。
なお、登記のできるものとしては、土地、建物、立木、地上権、地役権等が、登録のできるものとしては、特許権、実用新案権、商標権等があること(規則第16条)。
(4) 公有財産を買い入れ、又は交換した場合に、その買入代金又は交換差金を相手方に支払う時期は、原則として、登記又は登録のできる公有財産については、当該財産の引渡しを受けて登記又は登録を完了した後、その他のものについては、その引渡しを受けた後でなければならないものとしたこと(規則第17条)。
3 管理に関する事項
(1) 部長は、その所管に属する公有財産を良好な状態において管理することはもちろん、積極的に経済性を考慮して、効率的運用を図るよう努めるべきものであること。
なお、部長は、その所管に属する公有財産で保険に付する必要のあるものについては、その手続をしておくこと(規則第18条)。
(2) 部長が、その所管に属する公有財産のうち土地について、当該土地と隣接土地との境界を確定する場合の手続について規定した。
(3) 土地の境界が当初明確であったにもかかわらず、境界標の設置という物理的な表示がなかったため、その後不明の事態が生じ、不法占拠等種々紛争を生じている実例もあるので、隣接する土地との境界が明らかにされた場合は、境界標を設置するものとしたこと(規則第21条)。
4 行政財産の使用許可等に関する事項
(1) 行政財産は、法第238条の4第7項の規定に基づき、その用途又は目的を妨げない限度において使用を許可することができるものであるが、この場合においても規則第22条各号に列挙する場合に限り使用許可できるものであることから、「前各号に掲げる場合のほか、寝屋川市の事務・事業の遂行上やむを得ないと認められるとき」についても、その運用には厳格適正を期し、濫用を慎しむべきものであること。また、行政財産の使用許可に当たっては、将来寝屋川市が公用又は公共用に供するため必要が生じたときは、容易に原状回復ができる状態において使用させることを原則としなければならないものであること。
さらに、建物の所有を目的として土地を使用させる場合又は施設の全部若しくは大部分を使用させる場合においては、使用の態様により普通財産として処理することが適当と認められることもあるので、その取扱いには特に慎重を期すべきものであること。
なお、公の施設の管理を指定管理者に行わせる場合、指定金融機関の事務室、新聞記者室等として公有財産を使用させる場合、寝屋川市の施設に委託公衆電話を設置させる場合等は、寝屋川市の事務・事業遂行のため、あるいは契約の履行場所として寝屋川市が提供するものであるから、行政財産の目的外使用の範囲に入らないものであるから注意すること(規則第22条)。
(2) 行政財産の使用許可の期間は、1年以内であること。ただし、電柱、標柱又は水道管、ガス管その他の埋設物を設置するため使用させる場合その他特別の理由があると認めるとき(例えば、工期が1年以上にわたる工事の用地として使用させるとき。)は、例外的に1年を超えて使用許可することができるが、この場合においても、使用目的及び設置される工作物等の規模、構造等を考慮して処理するべきものであり、3年ないし5年の期間を限って許可することが適当であること。
なお、使用期間を更新するときは、新規の使用許可として処理すべきものであること(規則第23条)。
(3) 行政財産の使用許可は、従前どおり使用許可を受けようとする者から行政財産使用許可申請書を提出させて行うものとしたが、使用許可に当たっては、その者の資力、信用、技能等を十分調査し、かつ、規則第22条の許可範囲の基準に該当するかどうか等について検討し、使用許可を決定したときは、所定の事項を記載した行政財産使用許可書を交付し、また、使用を許可しないものと決定したときは、不許可の通知をしなければならないものであること。
(4) 行政財産の使用許可をし、当該行政財産を使用させるときは、寝屋川市行政財産使用料条例(昭和52年寝屋川市条例第32号。以下「使用料条例」という。)により使用料を徴収することとなるが、その使用料の額の算定基準を規定したこと。ただし、この算定基準により難い場合、例えば、建物の一部を使用させる場合であって、使用期間が1日に満たないとき等の使用料の額は、適正な方法によって別に定めることとしたこと(規則第26条・第27条)。
(5) 使用許可する行政財産に附帯する電話、電気、ガス、水道等の諸設備の使用に必要な経費が生じる場合は、使用料のほかに、これらの経費を徴収しなければならないものであることに留意すること(規則第28条)。
(6) 行政財産の使用料は、使用許可の全期間について、その期間の初日までに納入させなければならないこと。ただし、この全額前納の原則の例外として特別の理由があると認めるときは、納付期限を別に指定して後納させ、又は分割して納入させることができるものであること。ここで、「特別の理由があると認めるとき」とは、国又は他の地方公共団体において予算措置等の理由から前納できないとき、使用期間が長期にわたるとき、使用料の額が著しく多額で一時に納付させることが困難なとき等をいうものであること(使用料条例第4条)。
(7) 行政財産の使用料を減免できる場合については、使用料条例第6条各号に列挙されているが、このうち第4号に規定する「前3号に掲げる場合のほか、市長が特に必要があると認めるとき」とは具体的な個々の事案について、使用目的及び地方公共団体としての寝屋川市の立場等を考慮して特に減免の必要があると認める場合についてのみ適用すべきものであること。
なお、減免する場合、減免を受けようとする者から、必ず行政財産使用料減額・免除申請書を提出させなければならないものであること(規則第29条)。
5 普通財産の貸付けに関する事項
(1) 普通財産とは、公有財産のうち行政財産以外の一切の財産をいう(法第238条第3項)のであるが、これは、原則として一般私法の適用のもとに貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、出資の目的とし、又は私権を設定すること等を許容されており(法第238条の5第1項)、主としてその経済的価値を保全発揮させ、間接的に寝屋川市行政に貢献せしめるため管理し、又は処分すべき性質のものである。
普通財産を貸し付ける場合は、法第234条の規定により一般競争入札に付して契約を締結する場合のほか、必ず普通財産貸付申請書を提出させなければならないものとしたこと(規則第31条)。
(2) 普通財産を貸し付ける場合は、必ず貸付契約書を作成して行うこととし、貸付契約書の省略は、いかなる場合にもできないものであること。
貸付契約書の記載事項は、規則第32条第2項各号に列挙されており、財産の種類に応じ記載事項の一部を省略することもできるが、契約書の不備による紛争が生じている事例もあるので、当該貸付けの性質によっては適宜必要事項を追加するなど配意すること(規則第32条)。
(3) 建物の所有を目的として土地及び土地の定着物を貸し付ける場合(一時使用の場合を除く。)の貸付期間については、借地借家法(平成3年法律第90号)第3条の規定の制限を受けるので、30年とすること。
この場合、貸付契約書にこの期間を明記すること(規則第33条)。
(4) 普通財産を貸し付けた場合の期間更新は、規則第33条第1項各号に規定したそれぞれの期間を超えて更新することはできないので留意すること。
(6) 貸付料は、契約で定めた日又は市長の指定する期日までに納付させなければならないものとしたこと。ただし、強制にならないよう配慮しつつ借受人の了承を得て、貸付料の全部又は一部の前納に配意すること。
また、貸付料の徴収については、いやしくもそれが遅延するような事態の生じないよう納付期日等について常に借受人の注意を換起し、納付期日の忘却等による遅延は、極力避けるよう配意すること(規則第35条)。
(7) 普通財産を貸し付ける場合は、原則として借受人に連帯保証人を立てさせなければならないものとしたこと。連帯保証人は、貸付料の納付等貸付けに係る債務の担保であり、その資格については、厳格な審査をすべきものであること。
また、契約をするに当たっては、連帯保証人をして貸付物件に関する一切の債務を負担する旨の確約書を提出させるか、又は貸付契約書に同趣旨の記載をさせること。
さらに、規則第36条第1項第2号の規定は、1年以内の貸付期間に係るものについてのみ適用すること(規則第36条)。
(8) 建物を貸し付ける場合又は建物所有若しくは堅固な工作物設置の目的で土地を貸し付ける場合には、権利金を徴収することができることとしたこと。権利金は、延納の特約をする場合を除き、当該財産の引渡前にその全額を徴収しなければならないものであること。
なお、特別の理由があると認められる場合には、5年以内の期間において延納の特約をすることができるが、権利金の性格上、安易に延納を認めることは妥当でないので、その処理については慎重な配慮を要するものであること。
延納を特約する場合における利息及び担保については、売払代金等の延納の場合と同様であること(規則第37条)。
(9) 貸付料が契約で定めた日又は市長の指定する期日までに納付されないときは、その者に対して納付期限後20日以内に納付すべき期限を指定して督促することとしたが、令第171条の5及び第171条の6の規定により徴収停止をする場合又は履行期限を延長する場合のほか、令第171条の2の規定により、担保の付されているものについては、担保権を行使し、連帯保証人が付されている場合にはこれらに対し履行の請求をする等必要な措置を講ずべきものであること(規則第38条)。
(11) 普通財産を貸し付けた場合、借受人は、契約に定められた使用目的に従って自ら当該財産を使用することとなるのであるが、貸付期間が相当長期にわたる場合には、貸付期間中に転貸したり、借受けの権利を譲渡したり、造作したり、契約に定められた使用目的又は用途を変更して使用することも起こり得るので、このような後の使用に障害となるような行為は、原則として禁止するものとしたこと。
なお、ここでいう「転貸」とは一部の転貸も含まれるものであり、「形質変更」とは容易に原状に回復できない造作(土地に定着物の付設、建物及び工作物の新築、移改築又は模様替え等)を行うことであり、市長の承認を得ないこれらの行為を未然に防止するため関係職員を定期的に巡視させる等の措置が望ましいものであること(規則第40条)。
(12) 貸し付けた財産が借受人の責めに帰すべき理由により滅失又は損傷したときは、損害を賠償させなければならないものとしたこと。
なお、ここでいう「自己の責めに帰すべき理由」とは、借受人が故意又は過失により善良な使用管理を怠ることをいうものであること(規則第41条)。
(13) 普通財産を貸し付けた場合、借受人が契約上の義務及び規則に違反したときは、寝屋川市が契約を解除できることとしたが、貸付料納付の遅滞があるときは、相当期間を定めて履行を催告し、もしその期間内に履行がないときは、契約の解除をすることができる(民法第541条)とされているが、相当期間を定めて履行を催告しないでいきなり貸付料不払いの理由で契約解除を通告しても解除の効力は生じないので注意すること。
なお、公有財産は、第一義的には公益のために使用されるべきであるので、私人に普通財産を貸し付けている場合、貸付期間中に当該財産を国又は他の地方公共団体その他公共団体において公用又は公共用に供する必要を生じたときは、契約条項に解除についての特約がなくとも寝屋川市は、一方的に当該契約を解除することができることとされている(法第238条の5第4項)ので注意すること(規則第42条)。
(14) 貸付期間の満了又は契約の解除によって貸付財産を返還させるときは、当該財産を原状に回復させなければならないものとしたこと。原状回復が完全であるかどうかは当該財産のその後の使用にも影響があり、財産価値の減少も起こり得るので、特にその検査は十分に行うべきものであること。
なお、規則第43条ただし書にいう「市長が特別の理由があると認めるとき」とは、原状回復させることによってかえって財産の価値及び効用が減少するような場合等をいうものであること(規則第43条・第44条)。
(15) 普通財産を公益上の必要から一定の用途に供させるために貸し付ける場合は、その用途に供すべき期日及び期間を指定しなければならないものとしたこと。
この場合、借受人が指定された期日を経過してもなおその用途に供せず、又は指定された期間内にその用途を廃止したときは、当該貸付契約を特約の有無にかかわらず解除することができることとされている(法第238条の5第6項)ので注意すること。
なお、貸付後は、当該貸付財産について随時に実地調査し、又は必要な報告を求め、指定した用途に供していない等の契約違反の事実があるときは、直ちに指定用途に供するよう督促し、これに応じないときは、契約解除する等適切な措置を講ずべきものであること。
さらに、寝屋川市財産の交換、譲与、無償貸付け等に関する条例(昭和39年寝屋川市条例第5号)により、貸付料を無償にし、又は減額して貸し付ける場合には、用途指定を付するものとすること(規則第45条)。
(16) 普通財産は、貸付け以外の方法によっても使用又は収益させることができることとされている(法第238条の5第1項)ので、普通財産である土地に地上権、地役権等の用益物件を設定すること等ができるのであるが、この場合、使用させる期間に制限を置くこと、使用の対価を徴収すること等は、貸付けによって使用させる場合と同様であり、貸付けに関する規定を準用することとした。
なお、貸付け以外の方法により普通財産を使用させる場合にも貸付けの場合と同様に寝屋川市等が公用又は公共用のため必要が生じたときは、特約の有無にかかわらず当該契約を解除することができることとされている(法第238条の5第7項)ので注意すること(規則第46条)。
6 処分に関する事項
(1) 普通財産の売払い等を受けようとする者からは普通財産売払申請書等を提出させることとしたが、これは、売払い等の申請の理由及び必要性、相手方の状態等を適切に把握するための手続であるので、その審査は、厳格に行うべきものであること。
なお、ここでいう「売払い」とは、普通財産を譲渡するときの対価として金銭を受け取ることで民法上の売買(民法第555条)に相当し、「譲与」とは、無償で普通財産を譲渡することで民法上の贈与(民法第549条以下)に相当し、「交換」とは、公有財産となるべきものの対価として普通財産を譲渡する(民法第586条)ものであること。
また、普通財産を交換し、出資の目的とし、支払手段として使用し、適正な対価なしに譲渡し、又は貸し付けるときは、条例又は議会の議決によることとされている(法第237条第2項)ので、寝屋川市財産の交換、譲与、無償貸付け等に関する条例に規定する要件に該当するとき以外は議会の議決を要するので注意すること(規則第47条)。
(2) 普通財産を売り払い、交換し、又は譲与する場合の所有権の移転の時期を規定した。普通財産を売り払い、又は交換した場合の売払代金又は交換差金は、前納させることが原則とされている(令第169条の7第1項)ので、当該財産の引渡し、所有権の移転は、延納の特約をする場合を除き、売払代金又は交換差金の納付を確認してから行わなければならないものであること(規則第48条)。
(3) 令第169条の7第2項の規定により、売払代金又は交換差金が高額でこれを一時に納付させることが困難であるような場合は、延納の特約が認められているが、この運用は、例外的な制度として必要最少限の範囲内にとどめるべきものであること。
延納の特約をするには、単に相手方の申請のみによるのではなく、その者の資産、事業の状況等を十分調査し、客観的に当該財産の譲渡を受ける者が売払代金又は交換差金を一時に納付することが困難であり、かつ、将来の納付が確実と認められるときに限り認めることができるものであること。
延納の特約がなされた売払代金等の第1回の納付金は、当該財産の引渡前に納付させなければならないものであり、その金額は、売払代金等の6割以上に相当する額を原則とすべきものであること。
売払代金等について延納の特約をする場合は、原則として物的担保を徴しなければならないものであるが、この場合の物的担保の取扱いについては、次に掲げる事項に留意すること。
ア 公売に付しても換価が非常に困難であると認められる財産又は担保の実効がない程度に価格が低下するおそれがあると認められる財産は、担保として徴しないこと。
イ 担保として提供させる財産については、抵当権等の担保物件の設定の有無を調査し、原則として弁済の最優先順位を確保できる場合に限り担保として徴することができるものであること。
ウ 担保として提供させる財産に滅失又はき損のおそれがある場合は、当該財産についてその所有者を被保険者とする損害保険契約を締結させ、被保険者の取得する保険金請求権について質権を設定させる必要があること。
エ 担保として提供させる財産は、延納代金の金額と当該延納代金に対する2年分の利息に相当する金額との合計額以上の担保価値を有するものであること。
オ 担保価値としては、国債又は地方債は額面金額、土地、建物その他は時価の7割以内の額と定めるべきものであること。
カ 売払代金等の延納期間中に担保物の担保価値が減少したと認められるときは、増担保又は代わりの担保を、担保物が滅失したときは、代わりの担保をそれぞれ提供させなければならないものであること。
なお、延納の特約をする場合においては、売払代金又は交換差金の未納額について規則第49条第1項各号に定める割合で計算して得た額の利息を付さなければならないものとしたこと(規則第49条)。
(4) 普通財産を売り払い、譲与し、又は交換する場合には、貸付けについて定めた規定を準用するものとしているので注意すること(規則第50条)。
7 公有財産台帳に関する事項
(1) 公有財産台帳(以下「台帳」という。)は、公有財産の管理状況を明確にし、管理の適正を期するための基礎的帳簿としての性格を持つものであり、台帳の登載、補正及び保管の事務は、規則第5条の公有財産管理主任が行うものであること。
台帳は、公有財産事務担当部長が正本を備えるとともに、当該公有財産を公有財産事務担当部長が所管するときは公有財産事務担当部長が、他の部の部長が所管するときは当該他の部の部長が、その所管に属する公有財産に
ついての副本をそれぞれ備えておくものとし、台帳の副本には、土地については、見取図、字限図及び実測図を、建物については、配置図、平面図等を、その他のものについては、その必要とする図面を必ず附属させておかなければならないものとしたこと。
台帳への記入は、契約書、権利書、引継書、報告書等の確実な証拠書類に基づいて公有財産の増減等の異動理由の発生の都度行うべきであるが、転記誤りを防ぐため、また、規則第56条の公有財産現在額報告書を迅速に作成するため、公有財産異動整理簿を作成し、異動の都度台帳と同時に記入することが望ましいこと。
また、台帳に記入する区分、種目及び数量の単位は別表に規定したが、これは台帳に記載するもののみではなく、報告書等においても使用すべきものであること。
なお、台帳等に数量を記入する場合において、土地又は建物等における坪から平方メートルの換算は、土地の地積又は建物の床面積を平方メートルによる単位で表示する場合の換算率及び換算方法等について(法務省民事局長通達昭和41年3月1日法務省民事局甲第279号)によって行うものであること(規則第51条)。
(2) 台帳に記載すべき事項のうち、価格と数量は重要なものであり、台帳に登載する場合の登載すべき価格の基準を定めたこと。
ここでいう「建築価格」とは、請負工事で取得した建物については、新築の場合は、その請負金額及び支給材料があるときは、この評価額を加算した価格とし、全部の改築又は移築の場合は、請負金額及びこれに使用した旧材料の評価額を加算した価格とし、一部の改築の場合は、その建物の台帳価格から取払部分の台帳価格を控除し、これに使用した旧材料の評価額及びその改築費を加算した価格とし、一部移築の場合は、移築建物の価格は、移築のために使用した旧材料の評価額に移転費を加算した価格とし、残存建物の価格は、その建物の台帳価格から移転部分の台帳価格を控除した価格をいうものであること。また、建物以外のもの及び直営工事による建物についても請負工事によって取得した建物に準じて処理した価格によって台帳に登載すること(規則第52条)。
(4) 台帳に登載すべき価格に端数があるときの整理の仕方について規定したこと(規則第54条)。
8 現在額の通知等に関する事項
(1) 各部長は、その所管に属する公有財産について、公有財産の区分、名称ごとに集計した公有財産現在額報告書を公有財産事務担当部長に提出するものとしたが、公有財産事務担当部長においては、これを集計整理し、台帳正本と照合し、記入漏れ、誤記等があれば証拠書類によって補正すること。
(2) 公有財産について変動のあった場合は、公有財産損害報告書等を提出しなければならないものとしたが、これは、公有財産事務担当部長が公有財産の現況を台帳正本に誤りなく記載するために必要であるものであるから、正確かつ迅速な処理をするよう留意すること(規則第57条)。
9 雑則に関する事項
10 附則に関する事項
附則
1 この依命通達は、令達の日から施行する。
2 寝屋川市公有財産規則の施行について(平成19年10月5日付け財管第429号。所属長(保育所長・幼稚園長を含む。)宛て副市長依命通達)は、廃止する。
附則(令和3年財資第5号)
この依命通達は、令和3年4月1日から施行する。